SPECIAL SPECIAL
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Q.洋服のデザインを考える際に考えていること
A.当社ではSS2回、AW2回コレクションを発表していました。まずはシーズンごとにテーマを決めて、大きな一枚のキャンパスに絵を描くように全体を構想します。そして自分が選んだお気に入りの生地を張り付けて素材感、色合いのバランスも見ていきます。そこから素材一つひとつのデザインを考えるのです。シーズンごとに気に入った素材は必ず出てくるので、気に入った素材を見るとワクワクしてデザインのイメージが湧いてきます。
またシーズンに一度ミラノ、パリに行って多くのハイブランドの洋服を見ることは、私達デザイナーにとって貴重なことです。高いスキルとヨーロッパファッションの層の厚さを肌で感じることができます。これはデザイナーにとって大きな栄養の蓄積になったと感じています。毎年新しいシーズンが来るので、自分のコレクションの発表は命です。得意先の人達を感動させる内容のコレクションができることが、自分のプライドでもあり喜びでもあります。
デザインすることは、自分そのものを表現することです。内面がそこに大きく映し出されます。自分にとって美しいものを、そこに作り上げることです。その美しい洋服をまとうと、人は美しくなれると考えています。その人の人生をも美しく充実したものになるでしょう。そのような形で、多くの人々の人生に貢献できたのも私の喜びでもあります。 -
Q.デザイン生地を考える際に考えていること
A.生地はほとんどヨーロッパのものを使っています。私はヨーロッパファッションが好きで、自分の会社も作りました。ヨーロッパの生地は現実の季節の一年先に展示会があって契約する流れです。テーマとかコレクションの全体の構成などは、あとで考えています。 -
Q.でき上がったサンプルから商品に落とし込む時に
考えることA.サンプルを作る前にかなり考えて作るので、多くのサンプルはそんなに変更はありません。パタンナーさんも熟練の技術の高い人を使うので、イメージ通りに上がることがほとんどです。気に入らないものは没にしますが、ほとんどのものは製品化することになります。たまにうまくできたものでも、お客様のニーズに合ってないものは注文が入らない場合があります。それがよいものであれば、少ない枚数でも工場さんに無理を言って作ってもらいます。 -
Q.黒川洋子が考える洋服とは
A.私達は洋服を作る人であり、ファッションを提案し続けています。女性を美しくすることに没頭し続け、そこに喜びを感じています。私のように長くそれに携わっている人は体の芯まで洋服の価値、洋服が果たす役割を身につけているのです。いい服を着ると、人は美しくなれますし、それによって豊かな人生を送ることができると考えています。それがいい服の役割です。